一番演奏する機会の多い曲が忠夫先生作曲のこの”鳥のように”。演奏する時、たまに題名も解説もお知らせせず、演奏後にどんなタイトルだと思うか、曲からどんな感じをうけたか聞くことがあります。曲の解釈、感じかたは十人十色。海の風景が浮かんできたという人もあれば、風や木を想像する人も。私は最初に”鳥のように”というタイトルを知ってから曲を演奏するようになったので、浮かんでくるのはやはり鳥の情景。それも、たくさんの渡り鳥。何ヶ月も気の遠くなるような距離を、雨の日も、風の日も、晴れの日も、美しい朝焼け、夕焼けの中を、嵐や雷雨の中も、多くの困難の中をも悠々と飛ぶ姿。いっせいに飛び立ち、大空に舞い上がり、風をきり、障害を乗り越えながら、一日の終りの住処を見つけ、ハネを休め、ひと時の安らかな眠りの後、目指す場所にむかって、再びいっせいに大空に向かって飛び立つその姿を,そして彼らの目に映っている空や海や森や、そびえたつビル街や、雪景色が思い浮かびます。ローチェスターにも毎年春には野生の鴨やガチョウが羽をやすめにやってきます。
